ミニバンやらエコカーやらの流行で、
四角いセダンがすっかりいなくなってしまった。
ミニって云うが、全然ミニではない。いったい、
エルグランドやオデッセイのどこいらがミニなんだ。
フロントマスクも、今はこわそーなつり目の顔ばっかり。
ちっとも、欲しいと思わないクルマだらけだ。
まあ、仮に思っても、買えないが。
そこへいくと、コイツなんかは、とてもクルマらしく映る。
今見ると丸目4灯がクラシカルに。
BMW 320i E-30型
直6 SOHC 1990cc 129ps FR
4325x1645x1380
1983年~1991年
BMWの屋台骨を支える3シリーズも今やE90型となり
第5世代目になっている。
コイツはその第2世代目にあたる。
コクピットが若干ドライバー側に向くようにオフセットされた
設計は当時では画期的であった。
主販売時期が、ちょうどバブル期と重なっていたので
このモデルは「六本木のカローラ」という異名を持つ。
華やかな時代に売れた割には、クリーンで質実剛健な
クルマらしいクルマだった。
当時のライバルはMBの190Eやアウディ80の1.9Eらであった。
いずれも直4を搭載していた彼等に対して
バイエルンのM60系直6は大いなるアドバンテージであり、
BMWというメーカーが生粋のエンジン屋であるという証であった。
6発としては170psを出す325iのほうがより魅力的ではあるが
あちらはビッグな3ナンバー車輌であり
5ナンバー枠である320iのほうがクルマとしてはるかに説得力に勝る。
当時の販売価格は325iの498万円に対し320iは398万円であった。
ちなみに、一世を風靡したソアラの2000GTツインターボが当時333万で
あったことを考えると、六本木でカローラと呼ばれていたとは云え、高嶺の花。
バブル景気とは所詮、私達庶民には無縁のものであったと云わざるを得ない。
ならば、20余年落ちのBMW320iでも買って、
遅れてきたバブリーオヤジを楽しむのも一興かも知れない。
ただし、もうバブリーなどとは呼ばれず、ただのマニアなオヤジと
云われるがおちかも知れないがね。それでもいいじゃないか。
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