わが家のこども軍団は全員体育会系である。
私はと云えば、スポーツには無縁であった。
理由は簡単である。
運動音痴だからだ。
それもただ事ではない位すごい運動音痴である。
どれくらいすごいかというと、説明すれば紙幅はアッというまに尽きてしまうし
はづかしいので、少しだけ披露する。
野球はまづ無理だ。
いまだかつてヒットを打ったことがないし、守備をしてもゴロは捕れない、フライはうけれない。
ドッヂボールでは真っ先にあてられて外へでるほうだったし
跳び箱は跳べづに助走のまま突進して壊した事がある。
かろうじて、さかあがりは出来たがいまは無理だろう。
なわとびの二重跳びも出来ないし、
中学か高校だったか、整列行進でどうしても両側の手足が同時に動いてしまい
保健体育の先生にふざけるなとどつかれた記憶がある。
私は決してふざけているのではなく、
あたまの命令系統とからだの動作システムがどうもうまくシンクロしてくれないのである。
緊張でコッチコッチならこれもわかるが、そうでもないのだ。
むろんかけっこなんていつもビリであった。
しまった。ちょっとだけよなんて云いつつ披露しすぎてしまった。
あぶない。あぶない。
こういう経歴を持つ私であるから、スポーツをしている人が着ている
あのユニフォームというものを着たことが無い。
自分もユニフォームなるものを着てさっそうとなにかしてみたかったが
ずっとかなわなかった。
いまこうしてロードバイクに乗るようになって
専用のウェアに身を包むことが出来る。
ひとりなので揃いのユニフォームとはいかないが
サイクルジャージに袖を通し
グラブを手にはめる。
いつまでたってもぎこちなさが抜けないあぶなっかしい動作で左のシューズが
クリートを拾い、いとしのTREK号と共に青空のもとへ飛び出していく。
そのとき私は、身体はともかく、気持ちだけは「ちょっとだけ体育会系」である。
「チ~ス」
ポチッとひとつおねがいします!!