村上春樹が読者に支持される理由は何だろうか。
話中の主人公や世界観が読者自身のことと感じられるからだと思う。
さらにいえばその感じはリアルなのだ。
ところが、彼の物語に登場する情景は全然リアルではない。
しかし、なだらかな丘の牧場や黴臭い図書館や暗黒の地下通路や、はたまた月が二つ浮かんでいる世界であっても、そこで彼が登場人物を通して読者に投げ掛けてくるものを受け取った読者は、ああこれは自分のことなのだと受け取る。
彼の本は大いに売れ日本国内のみならず海外でも広く読まれている。
これは彼の作品が特殊でないことを証明している。
きわめて個人的なポケットにそれはストンと落ちてくる。
広く支持されないわけがない。ゆえに賞を獲れないわけがない。
そう思う。
明日文学賞に選出されたらそれはもう大騒ぎだ。
またおあずけだったらまた一年楽しめる。
先送りが楽しいなんてことはそうそうあるものではない。
微力ではあるがエールを送りたい。
幸運を祈る。
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