この本は発売されたら買おうと思っていた。本当である。でも買わなかった。そのあたりに図書館へ行った。もちろんこの本とは別件で。フロアを徘徊しているとカウンターから係のおば、失礼おねいさんに呼びとめられた。
嬢 原賀さん、騎士団長ですが、予約入れておきましょうか
H ええ?まだ図書館に入ってないろ?
嬢 そうですが、予約は出来るんですよ。どうしますか
H ほいたら、頼もうかえ
嬢 先に上巻から引き当たるようにしておきますね
H そらすまんねえ
そんなことで、この本は図書館から借りることとなったのだった。私の予約順位はこの時点で78位だった。人気の新刊となると初期の予約数200~300はザラなのでこれはこれで上出来といえる。
前段のやりとりは、係のおば、いやおねいさんから持ちかけられた。蔵書資料の貸出し件数に関して、問答無用で2パーセントがオンされた今期目標値とかが存在するのだろうか。それは考えにくいが、軽く営業をかけられた感はあった。私がもの欲しそうな顔をしていたのだろう。
私は基本的には、実用書を除けば何でも読むのだが、本当はチャラいベストセラーばかりではなく古今東西の古典や名作も読みたいと常々思っている。本当である。よって読みたい本はほぼ無限にあるわけだ。だが私の持ち時間は有限である。したがって厳選する必要がある。ところが、読書という行為の構造はそんな論理立ってシステマティックには出来ていない。ベストセラーの海の中で、私が漂い続けているゆえんである。しかしそれでいいと思うのだ。チャラくて結構、なぜならばこんな素敵な本に出会えるのだから。本当である。
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