わたくし的にカラオケにおいて封印している歌が一つある。「青春時代」森田公一とトップギャランの代表曲である。「下宿屋」「爪」「過ぎてしまえば」など学生の頃によく聴いた。いづれも青春のほろ苦い景色をテンポのよいリズムに載せたもので現在でもそうだが大好きだった。件の歌の隠匿理由だが、あまりにベタ過ぎて気恥ずかしいからだった。
前月に送り出した子ども軍団隊員kだが、入学式と云う事で先日上阪し出席して来た。不思議なもので親と云う奴は、結構な大人数の中でも自分の子を特定する事が出来る。この日、校長先生の式辞を前にして、横柄にも舟を漕いでいた記憶定かな後頭部を、遥か後方の保護者席からどづいたろかと歯痒くギリギリ眺めるしかなかった親バカならぬバカ親であった。先生の訓示は、現段階で社会人の基礎力を構築せよと云うものだった。式典終了後、気持ちとシンクロするかの様にあふれる如く飛び出して来る生徒らを見ていた。船出の意味合いは大いに異なったが、充実した青春の日々を送って欲しい。
昨晩は会社の今春の人事異動に伴う人員の歓迎会だった。お城下の居酒屋で粛々と気炎を上げた後、ペンシルビルのエレベータに乱入しお定まりのフラッシュ扉のドアノブを引いた。私はこの日冒頭の封印を解く。「青春時代が夢なんて後からほのぼの思うもの。。」場末のスナックのシートで濁声を張り上げるさえないオヤジ。最早隠匿理由など何ら意味を持たない。そしてあくまでもダサくほろ苦く歌は在るべき場処を得たのだった。
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