一気に読ませる。
ホームレスからの生還先は新興宗教だった。
この一般人的には遠い世界を主人公の元証券マンを通して
奇想天外に、しかしリアルに描いていく。
著者はひょっとしたら宗教の線はないにしても、
ホームレス体験が有ったのでは、なんて思わせるほどの出来栄えだ。
ていねいに言葉を積み上げていく上巻に対して
下巻のほうは一転ダウンヒルの様相で展開する。
淡々とした筆致は熱を帯びる事無く貫かれているが、
主人公の抱える緊張の糸が全編を通して
抑制の効いたリズムを創り出している。
先にあるブログ友達のところで、原作とその映画化作品
の評価や如何にと云う内容の興味深い記事を読ませてもらった。
私は本が好きな事もあって原作本に勝る表現はないと思っているが、
この作品などは、映画化したらきっと素晴らしいものが出来る気がする。
秀逸なエンターテイメント作品と云ってもよい。
ポチッとひとつおねがいします!