ダシの香りがはなをくすぐる。
いりこが効いているにほひだ。
とうに昼を過ぎた中途半端な時間だったので
客はまばらだった。
この建物は前から在るがうどん屋さんではなかったような記憶。
以前は何屋さんだったかはさっぱり思い出せない。
四方が見事にひらけている。
畑の中に建つ一軒屋的な立地だ。
店内外の造作が洒落ている。
とてもうどん屋には見えない処がまた面白い。
ちぐはぐな店の意匠を思い切り裏切って
出てきたうどんは激ウマだった。
いやセルフなので盆に載せて自分で運んだのだが。
もひとつ云うと本町の店にはたまに行くので
味がよいのは半ば分かっていた。
しかし、処変わればと云うではないか。ちがうか。
オーダーはかけの大。
ご本家である処の讃岐式ではあつあつ。
大の内訳をきちんと表示してある処がよい。
なければないでドキドキ感があってまたよい。
さすが大。
1.5玉とか2玉とかケチくさい事は云わない。
3玉ドンである。
三百六十円也。
隣りはキスの天ぷら。
こちらも白身魚などと云った眠たい表現ではない。
遅い昼食が背を押してよけいにうまい。
愉悦に耽る。
なか休みで首をもたげたら、
開き窓の向こうの田園を後免行きが横切って行った。
600型だ。ちがうか。
店名は源水。
在処は南国市なら明見付近、高知市なら大津と云う微妙なところにある。
本編中に本町店を記述したが、野市町のほうにもあるらしい。
大津バイパスの東の端です。
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