街のそこかしこに、そこだけ花が咲いたかのように
あでやかな晴れ着姿がかっ歩していた。
今年は厳寒の成人式となったようだ。
一時は荒れた式模様も大分影をひそめているようである。
成人式が終われば、主役交代で彼らの後輩世代が
受験シーズン本番へ突入となる。
おとなと子どもの境界はどこいらからであろうか。
法定のはたちも大きな区切りであろうし
就職や結婚など、自分の人生を独力で歩みだした時が
やはりそれに相応しいか。
子どもの頃、おとなというものは、
皆、立派な人だと思っていた。
その幻想はまがりなりにも独り立ちし、社会参加し始めたあたりで
あっけなく壊れるのではあるが。
この歳になった今でも、年長の人生の先輩方には
皆立派なおとなであって欲しいと思っている。
時々これを見事に覆す事柄に遭遇したりする。
たとえば、景品欲しさに街角の催眠商法小屋に
行列するお年寄りの集団に出会った時とか
或いは、たまたま出会った青髪鼻ピアスのだるそうな青年に
綺麗な挨拶をもらった時など、だったりする。
あの、どう見ても騙しますヨ。と貼紙してあるとしか思えないような
商法小屋に集まるじいさんばあさんは、
いったい如何なる見識の持ち主なのか。
などと常々不思議に感じていたが、
あれは
「自身は絶対騙される性格ではないと固く信じているお年寄りたち」
なのだそうな。
してみれば、あの小屋の盛況振りもよく判る。
欲に絡めとられた困ったおとなたちである。
集まるほうも、集めるほうも。
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